Re: 【ホラー】怖い話をしようか【怪談】 ( No.30 ) |
- 日時: 2009/05/19 00:22
- 名前: 八雲【紫】 ◆sukima3Q9M (ID: .Vw8RvJ0)
- 参照: 物事に本来善悪はない。ただ我々の考え方で、善と悪に分かれる。
- 俺が住んでいた町に廃墟があった。
2階建てのアパートみたいな建物で、壁がコンクリートでできていた。 ガラスがほとんど割れていて、壁も汚れてボロボロだったから、 地元の人間でも、あまりこの場所に近づくことはなかったらしい。
ある日俺は、友人と肝試しをすることになって、この廃墟に行くことにした。 まだ昼ぐらいだったから、建物の2階まで上がって建物を探索した。 そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。 友人と近づいて確認してみると、扉の前に 「わたしは このさきの へやに いるよ」 と書いてあった。
俺と友人は扉を開けて中に入り、先に進むことにした。 歩いて行くと分かれ道に突き当たって 、壁に 「わたしは ひだり に いるよ」 と書いてあった。
少し怖くなったけれど、俺と友人はそのまま左に進むことにした。 すると両側に部屋があるところに突き当たって、壁に 「あたまは ひだり からだは みぎ」 と書いてあった。
友人はこれを見た瞬間に、半狂乱になって逃げだした。 でも俺はその場所にとどまって、勇気を出して右の部屋に行くことにした。 部屋に入り進んでいくと、突き当たりの壁に 「わたしの からだは このしたにいるよ」 と書いてあった。
下を見ると 「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」 俺は急いで、その部屋の窓から飛び降りて逃げた。
それからはもう、その場所には近づいていない。
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