Re: 狩人劇場 【リレー小説を書いています】 ( No.102 )
日時: 2013/11/16 20:26
名前: KYハンター (ID: .yMq1N1i)

>>100の続きです
(古塔・・・・・・もしかしたらあの謎の声の事も・・・・・・)
『どうしたんすか? 御主人』
アルス曰くいつもと少し様子が違うらしい。どうせしつこく訊ねて来るだろうから古塔で聞いた謎の声の事を話した。
『そんな事があったんすか・・・・・・』
「謎の声・・・・・・・そんなもん只の幻聴じゃねえのか?」
幻聴・・・・・・本当にそうだと良いんだけど・・・・・・
「とにかくヤマツカミの居るエリアまで移動しよう。依頼はあくまでもヤマツカミ討伐なんだし」
「・・・・・・そうだな」
そうして移動していく内に例のあの声が聞こえたエリアについた。
「――ここだ・・・・・・あの声が聞こえた場所が・・・・・・」
「声って・・・・・・大雷光蟲しか居ねえぞ!? 本当に幻聴じゃねえか?」
確かに幻聴なら良い。だが本当に誰かが助けを求めているとしたら――その考えもあり、耳を澄まし、意識を集中させる・・・・・・
「・・・・・・助けて」
確かに聞こえた――誰かが助けを求めている声が・・・・・・コッチの方から聞こえた。コッチの方に誰かが居る――
「!? オイ、そっちは何もねえぞ! オイッ聞いてんのか!?」
後ろからあの変態ハンターが呼びとめようとしている。――だけど、声が誰の物なのかが気になる。だから――止まる訳にもいかない。



(確か・・・・・・この辺りから聞こえたんだけど・・・・・・)
奥に行きすぎたらしく、迷ってしまった
(・・・・・・ここは何処?)
引き返そうにも妙に広い上、景色が一向に変わらない。どこを進んでも背の高い草しか生えていない。
(やっぱり幻聴だったのかな・・・・・・)
そう諦めかけた時、またあの声が、しかも近くで聞こえた・・・・・・
声のした方へ草叢をかき分けながら進むと、そこに助けを読んでた人物らしき人がいた。
背丈は140ぐらいだろうか? 歳は見た目から言って10歳前後。
全体の線は細く、ところどころにキリンの様な黒いラインが走っていた。
体は細く、その左手には片手剣の雷刃ヴァジュラと思しきものを握っていた。体格にしては少々不釣り合いな気もした。
翡翠を宿した銀色の髪は腰くらいまであり、結ったり整えたりせず、ただ伸ばしているだけで何の手入れもされていない。
眼は紅く、透き通っているが、恐怖で震えているのが良く分かる。
しかも腹を空かせているらしく。腹の虫が鳴っている。
「えっと・・・・・・取りあえず、これ食べる?」
そう言って私はポーチからこんがり肉Gを出し、その子に渡してみた。
そしたらその子は肉の臭いを嗅ぎ、大丈夫だと思ったらしく、凄い勢いでこんがり肉Gを食べた。
よっぽどお腹が空いていたらしい。
「・・・・・・ありがとう」
少し訊ねてみよう、道の事と・・・・・・この子の事を
「ねえ、道に迷っちゃったんだけど・・・・・・どうしたらここから出られるの? 」
そう尋ねたら私側から見て右側を指さし、こう言った。
「・・・・・・ねえ、ここから出ちゃうの? もう、独りは嫌だ」
――そうか、この子はずっと独りだったんだ・・・・・・こんな何もない場所で・・・・・・
何よりも声を発しても誰にも届ず、助けも来ない・・・・・・だけど、私には届いた。
「じゃあ、一緒に外へ出よ。私の仲間も待っている」
「ほんと? でも、外は・・・・・・」
そう、口にした所で眼には一層恐怖の色で染まった
「危険だけど・・・・・・もしもの時は私が守る。絶対に・・・・・・だから、安心して」
保証も出来ないのに――何を言ってるんだろう。
「そう言えば・・・・・・名前は?」
「名前って・・・・・・何?」
名前が無い・・・・・・考えてみれば当たり前かもしれない。自分以外誰もいない空間――
そこに名前なんて有っても無くても同じ――なまじずっとここに居ればそうであろう。
「じゃあ、特技――出来る事は?」
「ボクに・・・・・・出来る事・・・・・・」
どうやら少し考えているようだ。こんな事を言われたのは始めての事だと思う。
「・・・・・・龍の・・・・・・龍の声を聞くこと・・・・・・」
龍の声を聞く・・・・・・そんなのは神話の中ぐらいでしか聞いた事が無い。もし本当の事なら今回の事について何か知っているかもしれない。
でも、その事を聞く前に取りあえず外に出よう。皆も待っているだろうし。


「ん〜外に出れた!」
外に出たら真っ先にアルスが出迎えてくれた
『御主人! ・・・・・・ところで、その御主人に似ている子は一体?』
似ている・・・・・・言われてみたらそうかもしれない。
髪の色も眼の色同じだ・・・・・・いや、髪の色は厳密に言うと違う。
私のは銀色に紫がかった髪だ。
「確かに似ているな、アンタの10歳辺りの頃と良く似ている」
あの変態は私の過去の事を知っているみたい・・・・・・
私は記憶に無いけど。
『所で・・・・・・この子の名前は一体何すか?』
名前・・・・・・そう言えばここにいる殆どの名前を把握していなかった。





取りあえず声の秘密の方を先に片づけました。
ちなみに、性別は一応女です。(だがある程度進んでからばれる)
特技から解るように物語のカギを握っています。