Re: 狩人劇場 【リレー小説を書いています】 ( No.121 )
日時: 2014/01/17 17:40
名前: 村雨丸 ◆1zOjo1E8j6 (ID: 0eyYJLS9)

それより少し前、<古塔>
そこには古流の生態を調べると言う名目で古龍観測所所属の人が集まっていた。
「しっかし、グッスリ寝ますね」
「そうだな、いつもの拘束と違ってじっくり観察できる」
「古龍が寝るなんて珍しいこともあるもんだな・・・・・・」

今、古塔には”寝ているヤマツカミの観察”と言う名義で古龍観測所の全体のうち約8割にも昇る人が見に来ている。
ここにいる誰もが『寝ているから決しておきないだろう』とその場の誰しもが高をくくっていた。
――しかし、事は起きた。
今まで全く動いていなかったヤマツカミが、ついに・・・・・・
動いた。
ヤマツカミは空中へ浮き、周りにいる人間を見下すかのように眼をむき、吸引を始める。
その場にいた全員が吸い込まれるのに、5秒とかからなかった。
誰しもが高をくくり、油断していなければこの人数だ。気づかないわけが無い。
周りにいる人間をすべて平らげ、ヤマツカミは移動する。
それを物陰に隠れ、事の一部始終を見ていた者がいた。
(は、早く・・・・・・この事を知らせないと・・・・・・あの方角には・・・・・・ドンドルマがある・・・・・・もし、ドンドルマに奴が降りたら・・・・・・)
体を支配していた恐怖をぬぐい、羊皮紙に記す。
『ヤマツカミは目覚め、ドンドルマの方角へ飛びました・・・・・・このまま放置したら大変なことになりかねない。そうなる前にヤマツカミの完全討伐を依頼します』
そう書き記し、気球に救難信号を送る。
気球に乗っているギルドナイトに事の一部始終を話す。
そのギルドナイトは頷き
「即刻ギルドへこの情報を回そう」
と言い、伝書鳥の足にこの羊皮紙を括り付け、飛ばした。
恐らくこれで予期せぬ事態にはならないであろう。
それだけで少し安心し、体の力が抜ける。
その本能に赴くまま私は寝た。