Re: 狩人劇場 【リレー小説を書いています】 ( No.126 )
日時: 2014/02/11 11:54
名前: 村雨丸 ◆1zOjo1E8j6 (ID: Fl7IMizC)

>>125続き
「・・・・・・いや、アレを使った方が早く済む。ライオス、くれぐれも僕の前に立たないように・・・・・・斬られたいのなら話は別だが」
「リオウ、それ、どう言う事だ」
「・・・・・・言っておきますが僕の後ろ以外で安全は保障できませんよ」
そう言って腰に薙いでいる通常より短めの天上天下転地無双刀【疾風流水ノ型】の柄に右手を添え、体勢を低くし、構える。
そして1秒経った。
すると不思議な事にナナ・テスカトリの頭と両翼から出血した。
「・・・・・・おい、リオウ。さっき何をやった」
「順番に右翼、頭、左翼を斬っただけです。・・・・・・もしかして、見えませんでしたか?」
とても不思議そうな顔をしている。
たった1秒の間にあれだけの攻撃を与えること事態俺としては”異常”としか言えない。
(あれが世界最強のハンタ−の実力と言うわけか・・・・・・納得するしかねえな)
しかし、俺からするとこの程度は奴の力のほんの1分に過ぎない。
「さすが、ラオシャンロンを真っ二つにした奴だな」
するとリオウの顔が少し陰り
「・・・・・・それは、どうも」
とだけ言った。

その頃〈ミナガルデ〉
「私は・・・・・・生きている。何とか――生き延びたのだ」
古塔で起きたあの、ヤマツカミの事件。私以外の人は全員ヤマツカミに吸い込まれてしまったのだ。
(やっと・・・・・・日常に戻った気分)
ふとコンコンと、窓を叩く音が聞こえる。
窓のほうを見るとそこにはガブラスに酷似した知能がそれなりに高く、飼い馴らす事でオトモにもなるモンスター――ホルクがそこにいた。
しかも足に手紙を付けているところ、伝書鳥の役割をしているのだろう。
伝書鳥よりもホルクが優れている所はまず飛行速度だ。
伝書鳥が3日かかる所をホルクは1日でいける。その上、モンスターの為、一度に運べる量が多い。
しかし、モンスターの為、飼い馴らすのが難しい。
だが、このホルクは良く飼い馴らされている。
いったい何の手紙だろうか? 足に付いている羊皮紙を広げ、内容を読む。
「えっ・・・・・・こ、これは・・・・・・」
その内容は私に向けられたものではなく、元々のこの部屋の住人である人物のものだと言うのは解ったが、他には解ったことはない。
(この送り主の名前・・・・・・もしかして・・・・・・)
すぐにその思考を中断した。
(ないない。彼女は変わり者が多い私達王立書士隊の中でも飛び抜けて変わり者だし・・・・・・それに宛て人の名前と苗字が同じだし・・・・・・)
でも、この宛て人って確か・・・・・・ドンドルマに行ったはずだ。その事を伝えよう。
「あのーこの人は今ドンドルマに居るはずだから・・・・・・」
そう言ってこの手紙を足に括り付ける。
すると開け放った窓からホルクはドンドルマまで飛んでいった。

同刻〈ドンドルマ〉
『ドンドルマ全体に古龍襲来警報が発令されました。ドンドルマに住んでいる一般住民及びハンターランク6未満のハンターは最低限の荷物をまとめ、速やかにお逃げください。また、ハンターランク6以上のハンターは、ギルドナイトと共に、広場に集合してください。繰り返します』
「これで取りあえずは一安心だな・・・・・・」
ドンドルマの広場には今、ギルドナイトとハンターランク6以上のハンターが揃っていた。
「古龍襲来警報を出すの早すぎませんか? 後2日は大丈夫じゃなかったんですか?」
「それが――住民を怯えさせない為、隠していたのだが・・・・・・正直に言おう。ヤマツカミの進行速度が予想以上に速いのだ」
広場のざわめきは一瞬にして静まり返った。
「――当初は1週間でドンドルマに来ると思われていたのだが・・・・・・実際の猶予は後4日しかないのだ。しかもこれは準備を抜いた状態で後4日しかない。つまり、後4日でバリスタ、大砲、撃龍槍の整備。そして――それらを動かす為の弾や燃石炭をはじめとする火薬を大量に集めねばならない。しかし4日間――政客には3日間でそれらの準備をしなければならない。しかし、3日間では整備しかできん。つまり! このドンドルマを護る為には・・・・・・貴君ら勇敢な戦士達を必要とする。ここに集まった全員、この街を護る為に・・・・・・その血を流してくれッ!」
その演説はここにいる全員の士気を高めるには十分なものだった。