Re: 狩人劇場 【リレー小説を書いています】 ( No.140 )
日時: 2014/05/02 10:36
名前: 村雨丸 ◆1zOjo1E8j6 (ID: sFkZ4.zC)

>>139続き
(しかし――厄介だな、気配に頼らなくてはならないと言うのは・・・・・・)
姿を消したオオナズチに3撃与え、会費で距離をとり、攻撃を仕掛ける。
オオナズチの攻撃を紙一重で避け、太刀を振り下ろす。
この辺りで初めて、あることに気付いた。
それは――オオナズチが姿を消したままだと言うことだ。
そしてここで、焦りが生じた。
まずい、早く討伐をしなければ――
気配を読めることで得た優勢さは、失われつつあった。
確かに気配を読むことはオオナズチに対して有効な手段だ。見えようと見えまいと攻撃が出来るからだ。
しかし、致命的な弱点が、3つ。
1つは、それをする為には全神経を集中させなければならないことだ。
すると、痛覚も鋭くなっているのが道理と言うものだ。
オオナズチの攻撃が当たる。
普段なら気にも留めないような傷だが、今回は状況が違う。当たった瞬間に走る例え様も無い激痛が全身を駆け巡り、血反吐を吐く。
そして、ここで2つ目と3つ目の弱点が現れる。
それは――常に集中力を最高潮に持ってこないといけないことだ。
そこから少しでも揺らげば、一気に崩れ落ちる。さっきの一撃は、それには十分なものだった。
それから――集中力が切れた瞬間に襲う、疲労感だ。
(ここまで――か)
そこで意識が途切れた。

『・・・・・・力が欲しいか?』
黒い空間にい対照的な真っ白な髪をもつ、紅い眼を持つそれはそう問いかける。
「冗談じゃない、もう・・・・・・お前の力を借りないと決めた。その決心が揺らぐことは無い」
『ハッ。まだそんな事言ってんのか? ・・・・・・現状を見てそんな強がり言えんのか? 言っておくがな、護る為にも力は必要だ。何を拒むことがある?』
「それでも・・・・・・その力で仲間を失った! その力が無ければ失うことは無かったはずだ!」
『まだそんな事言ってんのか。お前も感じてるはずだ、この世界で蠢く大きな力を。それはお前らに牙を向くぞ? リラをそれから護る時に俺の力が必要だぞ? それにこんなところでくたばったらそれこそ何も出来なくなるぞ?』
「・・・・・・そうだな。だが――主導権は僕が握る。それくらい出来るだろう?」
『・・・・・・あの時と比べて大分強欲になったな。良いだろう。力をくれてやろう。俺はお前でありお前は俺だ。主導権を握れるものならやってみな』

血が滾ってくる――失われたはずの力が戻ってくるのを感じた。
(いける――これなら奴を殺すには十分だ!)