Re: 狩人劇場 【リレー小説を書いています】 ( No.152 )
日時: 2014/08/20 10:53
名前: 村雨丸 ◆1zOjo1E8j6 (ID: 3QlISV1J)
参照: http://youtu.be/l71pUDEk3Zg

>>151続き
五日目
今日は塔の中を調査した。
途中、右に行くか真っ直ぐ行くかに分かれ、私とアルスとヘラクレスは真っ直ぐ進む事にした。
しかし、私達のほうは特に何も見つからず、シオン達と合流しようと思っていた時の事だった。
大きな翼を広げたそれが、降りて来たのだ。
骨格的には何時ぞやの鋼の龍と変わらない。
体の色は藍色で、確か――王妃と喩えられているものだった。
藍色の王妃は私を見つめ、服を銜え、背中に乗せたのだ。
ヘラクレスは背負った大剣を抜き、アルスは傘兼ボウガンを構え、弾を撃つが、それは焔の鎧に弾かれてしまった。
その焔は、熱くはなく、むしろ温かかった。
そのまま私は藍色の王妃に連れ去られてしまった。
藍色の王妃が空を飛び塔から離れていった。
気付けば眼下には膨大な量の水があった。
アルスにヘラクレス。それから、シオンとシオウは無事なのだろうか?
無事だと、信じていたい。

「一度、ここで途切れちゃってるんだ〜。それから、アルス達がどうなったか気になるよね〜? 凄く気になるよね〜? そこで、なななな何と! シオウが書いていた日記が何と! 王立図書館の重要書庫に認定されてました〜。そしてそれをこの私がぶんど・・・・・・じゃなくて、貸していただきました〜」
おいちょっと待て。
死刑になってもおかしくは無いんだぞ。そこのギルドナイト、仕事しろ。
そんな私の心中察したのか
「ディアナさん。今はそんな事は重要ではありません。姉さん。一つ質問していいですか?」
「答えられる事なら何でも答えちゃうぞ〜」
「・・・・・・余りにも、特徴がかぶるんです。ジェイドとシオン――体に入った黒いライン。龍と会話する――ここまで来ると、偶然ではないと思えてきませんか?」
「それはね〜リオウの本来の故郷に、その答えになりそうな文献があったのだ〜」
コホンと咳払いをし、語りだす。
「リオウの故郷にはね〜兄妹神が存在するのだ〜。その名前が、兄が龍神シオウ、その妹が雷神シオン。そして、御本尊が――リオウが使っている二本の太刀なのだ〜。もう、解ったかな〜」
「・・・・・・いちいち言い回しが遠いですよ。僕が聞いてるのは、ジェイドはシオンの血を引いているかどうかです」
「多分、引いてると思うよ〜。リオウの質問が解決したところで、シオウの書いた日誌を読んでいこ〜」
再び咳払いをし、朗読を始める。

一日目
アルテミスにヘラクレスとアルス。それから――シオンと僕の五人で旅を始めた。
村から歩くこと半日、天高く聳え立つ塔があった。
それは雲を突き抜けるほどの高さまで達していた。
アルテミスの提案で、その塔の周りを調査して見たが特に何も無かった。
陽が沈んできたので野宿をする事にした。
明日、塔の中を探索する事になった。

二日目
塔の中に入ると右に行く道と真っ直ぐ行く道と分かれていた。
僕とシオンは右に行く事になった。
右へ進むと、何やら祭壇の様なものがあった。
それも、僕の村と大して変わらないものが。
壁には壁画が描かれていた。
白い体に紅い眼。
翼は片方だけでも胴体と首を足したぐらい大きく、尻尾もそれ相応に長い。
そして――紅い雷
それに逃げる人々、抗う者といた。
確か――村長が言っていた。
かつて優れた文明を築き上げ、人は傲慢になり、天を貫く高さの塔を建てようとした。
ある時、それに怒りを覚えた白き龍が舞い降り、天罰を下したと。
そして、何とか生き残った者達がこの村を作ったとされていた。
どうやらその話は、本当の様だった。
それとは別の壁画があった。
それは、白き龍はもちろん。四人の戦士が描かれていた。
いったい、何を記したものだろうか?そう考えたとき、突如、紅き王が舞い降りた。
龍断の柄を手に取り、いつでも抜刀できる状態にした。
その紅き王はシオンを連れ去ろうとしたが、何者かが撃った弾にそれを阻まれ、逃げていった。
しかし、アルテミスがいない為、どうしたのかを聞いてみたら、藍色の王妃に連れ去られたと言っていた。
しかも、その方角には大海原が位置していた。